「3分でITガバナンスを理解する」|横浜市|コンサルティング
「3分でITガバナンスを理解する」
まとめ
- 「ITガバナンス」とは、経営戦略に即したIT戦略の策定と、その確実な遂行を実現する仕組み
- 大きくは「IT戦略の決め方」と「決めたIT戦略を確実に遂行させる仕組み」の2点
- 「ITガバナンス」は取締役会および執行役員が責任を持つもの
ITガバナンス(IT Governance)とは?
「ITガバナンス」とは何でしょうか?書籍やインターネットで調べると様々な定義がされています。代表的なものを下記に挙げます。
- 「企業が競争優位性構築を目的に、IT戦略の策定・実行をコントロールし、あるべき方向へ導く組織能力」(経済産業省)
- IT 利用企業の責任者、CIO、IT 企画部門、IT 利用部門に求められるマネジメント力である。 すなわち、①IT の利用者として IT をビジネスに使いこなすための統治力であり、②最適な専門家の知恵を束ねて活用する統治力であり、③IT サービスを委託する側のオーナーシップである。(野村総合研究所)
- 「主にIT化により新たに生じるリスクの極小化と的確な投資判断に基づく経営効率の最大化、すなわち、リスクマネジメントとパフォーマンス・マネジメントであり、これを実施するに当たっての、健全性確保のためのコンプライアンス・マネジメントの確立である。」(日本監査役協会ITガバナンス委員会)
ITガバナンスの構築やITマネジメント整備のご支援してきた経験をもとに、私なりに「ITガバナンスとは何か?」を簡潔に説明すると、次のような形になります。
※「ガバナンス」は取締役会が、「マネージメント」はCIOがそれぞれリードする領域です
この中で最も重要なキーワードは “IT戦略” です。“IT戦略”とは、「ITを活用して、いかに競争優位性を創り上げるかの戦略」です。たとえば実際のIT戦略の例としては以下のようなものがあります。
【先進事例】
・ソフトバンク
IoT/5G、AI(人工知能)、データ活用の領域で企業や社会の課題解決に取り組み、数年内に営業利益の倍増を狙う。その中核を担うデジタル変革を推進する専門部隊を新設。
・NIKE
それぞれの顧客に“ナイキに愛されている”と感じてもらう。モバイルファーストの時代にそれを実現するために、モバイルアプリと実店舗を連動させた買い物体験を顧客に提供。
・イオン
AI技術などを取り入れたリアル店舗と、スマホアプリに集約されたオンライン店舗の融合を通じて、新しいビジネスモデルを構築。また、スマホを用いたクラウドオフィスや従業員用アプリの開発により後方業務の生産性向上を目指す。これらを実現するために中国にデジタル化推進の新会社を設立。
これらの事例から見えてくるのは “IT戦略” が経営戦略ではとても重要なものであるという事実です。 現にJUAS(一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会)の調査によれば、企業全体の7割以上、売上高1兆円以上の企業では9割以上が経営戦略を実現するにはIT戦略が重要と考えていると回答※しています。このように重要な “IT戦略” を「どのように決めるのか?」 「経営戦略と整合させるためにはどうすればよいか?」 「戦略遂行のために、何をするか?、それを誰に、どう割り振るか?」 「割り振ったタスクを、いつ、どこで、誰が、どのようにモニタリングするか?」 「結果を分析評価し、その後の改善に結びつけるのはどうすれば良いか?」 等の枠組みが 「ITガバナンス」となります。
※企業IT動向調査2019 (2018年度調査)~データで探るユーザー企業のIT動向~ https://juas.or.jp/cms/media/2017/02/it19_ppt.pdf
ITガバナンスのフレームワーク
ITガバナンスのフレームワークとしては、ITガバナンス協会の「COBIT」が有名です。また、ITに係るフレームワークとして、ISO2700やITIL等もあります。ITガバナンスとの関係は下記のとおりです。
※領域としてカバーしていても、内容の濃淡(フォーカス度合い)はフレームワーク毎に異なります
執筆:代表社員 植野まさのり
合同会社AllNewでは、事業規模の拡大・拡充のご支援としての「新事業の立上げ」や業務の時間短縮・働き方改革としての「管理部門の業務効率化」、経営に即したIT戦略により競争力の向上を実現する「ITガバナンスの構築」「ITマネジメントの整備」等のご支援をしております。
この記事を読んだ方には、こんな記事も読まれています。